そうじゃないと人を楽しませることはできません」。数曲歌い終わり、曲の伴奏のところでそう語る長渕は、確かな手応えを感じているようだった。「行くぞーっ!」。何度となく長渕が吠え、額に汗を浮かべながら、顔を真っ赤にして魂の歌声を響かせる。全国ツアーが富士山麓ライブの助走と話した長渕だったが、彼らの助走はすでに始まっているようだ。「稽古は苦しいけど、何十年もずっと本番より厳しくやってきた。その先には観客の笑顔がある。それだけがほしい」と話す長渕には、観客をただ楽しませたいという素直な気持ちにあふれ、歌と演奏でそのことを体現してみせた。
新旧の楽曲を織り交ぜ、数十曲を約2時間にわたり、途中休憩を入れることなくぶっ続けで歌い、演奏。スタジオライブと呼ぶにふさわしい充実した内容で、ここでしか観られないステージを繰り広げた。いよいよ広い会場へ移動し、そこでしか観られないロックショウで迎えてくれるだろう。
全国ツアー“HALL TOUR 2015 ‘ROAD TO FUJI’”は、数公演を残し、チケットはほぼ完売。“10万人オールナイト・ライヴ 2015 in 富士山麓”は、8月22日(土)夜から翌日の明け方にかけて開催。チケット発売中。
取材・文:門 宏
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