という城田。「でも“当時の青色の絵の具は値段が高く、画家は経済的な援助をメディチ家など銀行家に支えてもらっていた。だから何百年経った今でも色褪せない絵画が残っている”といったポイントをいくつか教えてもらったら、急に面白くなったんですよ」と城田は言う。「僕みたいに“美術館はちょっと敷居が高いな”と敬遠している人は多いはず。だからナレーションにあたっては、あえてルネサンスの勉強は基本的なことにとどめて、今回の展示を見た時の新鮮な感動を大切に、お客様に伝えるようにしました」と話した。
ちなみに、城田が見て一番印象に残ったのは「三声と四声のための歌曲集」。ボッティチェリやミケランジェロなどそうそうたる芸術家を支援したロレンツォ・デ・メディチと親しかった、ハインリヒ・イザークらによる歌曲集で片面に使われている神秘的な赤と黒の配色は、もともと城田が好きな色使いだという。「(昨年城田が演じた『ファントム~〈オペラ座の怪人〉の真実~』の)ファントムが気に入りそうな絵ですね」と水を向けると、「1枚の絵からそういう想像が広がるのも楽しいですよね」と笑顔に。
「僕は芝居や音楽といった“アート”は好きで関わってきたので、写真や映像と、ライブなどナマの体験とでは受ける印象が全然違うと思っています。