6月に上演される市川海老蔵第三回自主公演『ABKAI 2015』の製作発表会見が行われた。第一回公演で「花咲か爺さん」を題材とした歌舞伎を披露したのに続き、今回は、「浦島太郎」と「桃太郎」をモチーフにした新作歌舞伎『竜宮物語』『桃太郎鬼ヶ島外伝』を上演する。製作発表では、前回もタッグを組んだ脚本の宮沢章夫、演出の宮本亜門とともに登壇した海老蔵。ふたりに敬意を払いながら、自身の思いの丈を語ってくれた。
『ABKAI 2015』チケット情報
日本の昔話を歌舞伎にするというのは、以前から海老蔵のなかにあったアイデアだった。「自分の勝手な妄想を(笑)、宮沢先生と亜門さんに語ったことがこの自主公演の始まりでした。小さい子どもにも観てわかってもらえるものを作ることがテーマですが、一つひとつの作品を丁寧に作って、それを数珠つなぎにするとさらに面白くなり、昔話ってこう楽しめるんだと思っていただければ」と昔話に挑戦する意義を語る。すると宮本も、「前回も登場した“鬼石”が各話をつなぐ要素になっていきます」と構想を明かした。
宮沢もまた、「昔話というひとつの空間・次元に、『花咲か爺さん』も『桃太郎』も『浦島太郎』もあって、それぞれに別の話の登場人物が現れてもおかしくないという考え方をすると、書くのが面白くなってきたんです」