国立モスクワ音楽劇場バレエが5月20日(木)から24日(日)まで、『エスメラルダ』『白鳥の湖』を上演する。公演に先駆けて19日に行われたリハーサルの現場に潜入した。
国立モスクワ音楽劇場バレエ チケット情報
リハーサル開始前。イーゴリ・ゼレンスキー芸術監督が、バレエ団スーパーバイザーのアンドレイ・ウヴァーロフと、オケピットの前で立ち話をしている。舞台上には、本番の衣裳の下にレッスン着をつけたダンサーたち。踊りの確認に余念がない。ほどなくゼレンスキーがマイクでスタートを告げ、ウヴァーロフとともに客席に着くと、オケピットの指揮者がタクトを振り下ろし、リハーサルが始まった。
セーヌ川を描いた幕と共に、これから始まる激動のドラマを示唆するように、力強い音楽が流れる。
幕が上がると、小さな女の子を抱きかかえた母親がよろよろと登場し、聖母子像のふもとで眠り込む。するとジプシーたちが現れ、女の子を連れ去ってしまう。目を覚ました母は半狂乱で娘を探しまわるが見つからない。像に向かって振り上げかけた拳を自ら下ろし、悲嘆に暮れる母。この場面こそ全ての発端だ。女の子は成長して、タイトルロールのエスメラルダとなる。