“移動コメディ”“漂流コメディ”“迷路コメディ”と、毎回思わぬ題材を舞台に上げてコメディに仕上げているヨーロッパ企画。第34回公演『遊星ブンボーグの接近』では、タイトルにある通り、文房具を俎上に乗せる。そこにはどんな目論見があるのか。作・演出を手がける上田誠と劇団員で俳優の石田剛太の話から、ヨーロッパ企画にしかできない舞台作りが見えてきた。
ヨーロッパ企画第34回公演『遊星ブンボーグの接近』チケット情報
「“文房具コメディをやります”というのは、数年前からアフタートークでも言い続けてきたことなんです」という上田。自身も、アイデアを書き出すホワイトボードを持ち歩くほどの文房具好きなことから、いつかはとの思いがあった。それがようやく実現にこぎつけたのは、「これまでにいろんな題材を舞台で表現することを試してきて、文房具を舞台で見せる自信もだんだん出てきた(笑)」からだという。一方、こだわりのペンを持っているという石田も、「最初は本当にやるんだと思いましたけど(笑)、文房具をSFと絡めることで、何か面白いことができそうな気がしています」と乗り気。
ヨーロッパ企画の舞台は劇団員・スタッフの話し合いやエチュードから作られているが、今回も、それぞれの文房具にまつわる思い出話などから、「文房具というミクロの世界と、大宇宙から遊星が迫ってきくるというマクロの世界をつなぐ物語」