平田満、原点の舞台で「あの頃の情熱を再び感じたい」
伝説の舞台『熱海殺人事件』が12月、奇跡のキャストを揃えて紀伊國屋ホールに帰ってくる。70年~80年代の小劇場ブームを牽引したつかこうへいの代表作に、オリジナルキャストである風間杜夫と平田満が再挑戦。演出にいのうえひでのりを迎え、つかの愛娘である愛原実花、気鋭の若手俳優中尾明慶とともに、新たな伝説を刻むこととなった。「ちょっとヘンだと思うんですよ。無理がありますよね(笑)」。演劇ファンの興奮をよそにのんびりと笑う平田満に、思い出の舞台へ向かう心境を聞いた。
舞台『熱海殺人事件』チケット情報
「大好きな作品ですけど、これは若い肉体と情熱でやるべきものだと思っていて。この歳で若き熱血刑事の役をやるなんてとんでもない、とは今でも思ってますよ(笑)。
でも、風間さんも、演出のいのうえさんも本気でやろうとしている。冗談じゃないとしたら、僕が今やる意味は何だろう?と。自分の原点であるこの作品で、当時の情熱を再び感じられたら素晴らしいなと思いましたし、“あ~やっぱり平田満は歳をとったな”と思われたら、それも本望だと。なんだかリトマス試験紙みたいなものですよ(笑)」
舞台では、“熱海で工員が女工を絞め殺した”という平凡な事件を、刑事たちがそれぞれの美学を振りかざし、自身の愛憎劇を絡めながらドラマチックに飾り立ててゆく。