世田谷パブリックシアターの人気シリーズ「現代能楽集」第8弾『道玄坂綺譚』が11月に上演される。この企画は、同劇場の芸術監督・野村萬斎が企画・監修を務め、古典の知恵と洗練を現代に還元し、現在の舞台創造に活かしたいという思いから生まれたもの。今回は、三島由紀夫作「近代能楽集」の中から「卒塔婆小町」「熊野」の2編を土台とし、ひとつの現代の物語として描く。作・演出はシリーズ初登場となるマキノノゾミ、出演は平岡祐太、倉科カナ、眞島秀和、水田航生、一路真輝ら魅力的なキャストが揃う。某日、都内で行われたスチール撮影現場に潜入した。
舞台『道玄坂綺譚』チケット情報
ノスタルジックな雰囲気が漂うセットの中で、男性キャストの平岡、眞島、水田がポーズを決めていく。明るさを抑えた照明の中で表情を作る姿は、早くも役になりきっているようだ。物語の舞台は東京の繁華街にあるネットカフェ。
平岡はそこの従業員キイチと陸軍大尉・深草貴一郎という、時空を超えて“コマチ/小町(一路)”に惹かれる青年を演じる。眞島は、家出少女ユヤ(倉科)を美しい女性へと成長させるベンチャー企業社長の宗盛、水田はキイチの同僚カオルとユヤの恋人・薫をそれぞれ務める。