田尾下哲さんの演出で、赤い布に女の絆、同盟を結ぶというような意味をもたせていたり、常に連帯での動きがあったりするので、前回より共演者との交流が増えています。キミホ・ハルバートさんの振付で、メディア以外の女性たちの動きに風のような様式性も加わっています。男性が女性を演じるというのは難しさがありますが、坂東玉三郎さんと『マクベス』で共演したのがきっかけで、研究書の解釈ではなく自分の発想で壁が破れないかと取り組むようになりました。壁を打ち破るには枷の多い役のほうがいい。卒都婆小町、王女メディア、サド公爵夫人といった女性を演じてきました。『王女メディア』は、人間の恐いところまで描ききった特殊性がありますが、エウリーピデースが何を描きたかったのか、テーマは何かを考えると、人間が生きていく力、生きていくには“赦し”が必要で、この“赦し”がテーマなのではないかと、今回思ったのです。これまでは、メディアに同情させようと演じていたのですが、今作では、赦しのない女の悲劇を演じたいと思って挑んでいます。毎日、実験していて、共演者もついてきてくれています。
肉体的には苦しいのですが、演じはじめると苦しさはとんでしまって、面白くなるんですよね」
東京公演は2016年1月9日(土)より東京グローブ座にて開幕。チケットは発売中。
寝ている間に夫が注文していたマクドナルドの品の総額「リッチなモーニングでした」