くらし情報『彩吹真央が熱演『End of the RAINBOW』稽古場レポ』

彩吹真央が熱演『End of the RAINBOW』稽古場レポ

アンソニーはジュディの“ステージへの恐れ”を見ている。彼女に穏やかな幸せを与えることで立ち直らせたいと考えており、薬物や酒、そしてステージも彼女から遠ざけようとする。一方、ミッキーはジュディの“ステージへの執着”を見ている。彼女がステージで輝くためなら薬物も酒も与え、「観客が待っている」と自信をつける。ミッキーに奮い立たせられ、目がらんらんと輝き始めるジュディの表情、そして歌声からはスターの持つ揺るぎない実力が溢れ出る。

幕に隠れた悲劇ともいえる人生だ。だが、3人の芝居が決してそう思わせなかった。ミッキーやアンソニーの前にいるジュディと、ステージの上にいるジュディ。
彼女を奮い立たせるミッキーと、包み込むアンソニー。そこに存在する“想い”を目で、声で、歌で、表情で語り、こちらに悟らせる。再演ならではの深みを感じる芝居だった。

劇中では、『虹の彼方に』をはじめジュディの名曲が数多く歌われる。ジュディ・ガーランドファンはもちろん、エンターテインメントを愛する人にオススメしたい作品だ。

公演は、7月9日(土)から24日(日)まで東京・俳優座劇場、7月27日(水)に大阪・サンケイホールブリーゼ、7月30日(土)に茨城・水戸芸術館ACM劇場にて。

撮影・取材・文:中川實穗
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