偉大な友人に代わりはいない」と弔意を表したうえで、「オリジナルは自分。よく知っているプロダクションなのでいつものように歌いたい」と自信を語った。
会見には他の主要キャストも出席。音域の広い題名役アリアドネを歌うグン=ブリット・バークミン。難易度の高いコロラトゥーラの技法とカンタービレが要求されるツェルビネッタ役のダニエラ・ファリー。ズボン役の作曲家は、初来日のステファニー・ハウツィール。ヤノフスキはリハーサルに大いに手応えを感じたようで、「みんな、明日の初日まで病気にならないでほしい」と会場を笑わせた。
そのヤノフスキといえば、「演出ありきの傾向に嫌気がさした」と1990年代以降はオペラ劇場と決別し、今年のバイロイト音楽祭で実に久しぶりにピットに復帰した、一家言の持ち主。
しかし登場人物の心理描写を大切にする今回のベヒトルフ演出は、「舞台で起こっていることに指揮者が責任を持てる」と、彼の厳しいお眼鏡にも適っている様子。盤石の歌手陣も得て、音楽を尊重した充実の上演が繰り広げられるはずだ。《ナクソス島のアリアドネ》は10月25(火)・28日(金)・30日(日)の3公演。日本公演はそのあと11月6(日)