「お客さまにとっても私はキムのイメージがあるから、あまり時間も経たずにアメリカ人になって登場するのはどうかと(笑)。色々悩みましたが、エレンに興味もわき、やってみたらと言われたら、やっぱりやりたくなったんです(笑)」
オーディションを勝ち抜き、エレン側から物語を語る立場になった。「クリスはひどい人という女性は多く、そういう面もあるかもしれない。でもクリスを支える奥さんの身としては、クリスが悪いのではない。悪いのは戦争で、誰も悪くないんだと思います」。2012年の新演出版から、クリスとキムとの間に息子のタムがいると知ったエレンが胸中を歌う「メイビー」という楽曲が新しくなった。「『望むのなら彼女(キム)の元へ、私忘れてくれていいの』という歌詞があるんですが、キムがエネルギッシュで能動的なら反対にエレンはすべてを許すことができる受け身の役。そこまで言えるってすごい人だなと思います。
ある日の公演でキム役のキム・スハちゃんと対峙した後、メイビーを歌って楽屋に戻ったら涙が止まらなくて。しばらく楽屋でブルブル震えていました」。エレンの苦しみとキムへの思いが激しく去来したという。
今年でデビュー20周年を迎えた。