世田谷パブリックシアター20周年、野村萬斎「現代演劇を刷新」
と意気込みを見せた。
12月には、兵庫県立芸術文化センターとの共同制作で、日韓文化交流企画となる『ペール・ギュント』が控える。演出のヤン・ジョンウンは、平昌冬季オリンピック開・閉会式の演出も担当する気鋭の韓国人演出家だ。「浦井健治さん他、オーディションで選ばれた日韓の俳優たちによる新たな作品の誕生を、楽しみにしています」。
世田谷パブリックシアターの存在意義について、萬斎は3つの特徴を挙げた。「ひとつ目は地域性です。世田谷区を中心とした同心円上に、東京があり日本がありアジアがある。時代をかいくぐる本質的な芸術は多くの観客に響いていくでしょう。
ふたつ目は伝統芸能と現代演劇の切磋琢磨。数百年かけて洗練されてきた伝統芸能のあり方は、新しい才能を持った作家たちにも刺激を与えてくれるはずです。3つ目は、レパートリーの創造。公共劇場として、国内だけでなく海外でも共有される作品をつくる使命を感じています」。
また、当劇場は世田谷区民を中心とする地域の人々に開かれたワークショッププログラムが充実していることでも知られる。「開場当初から、演劇を使った表現の仕方を区民にお伝えするワークショップを意欲的におこなってきました。