王に立ち向かう女性を演じて蒼井優が問いかけるものは!?
蒼井優ヘアメイク:石川智恵スタイリスト:田畑アリサ撮影:源賀津己
映像に加えて、近年は舞台での活躍も印象に残る蒼井優。ことに『三人姉妹』『スポケーンの左手』『あわれ彼女は娼婦』など、翻訳劇に多く求められていることに、どんな劇世界をも担える大きさが表れる。最新作となるのは、フランスの劇作家ジャン・アヌイの悲劇作品『アンチゴーヌ』。ここでもまた、タイトルロールを演じ、人間が社会で生きるとはどういうことなのかという大きな問いを投げかける。
舞台『アンチゴーヌ』チケット情報
『アンチゴーヌ』の戯曲には、10年ほど前に出会っていたという。今ほど演劇作品に触れていなかった当時、出演した『オセロー』のスタッフから読んでおいたほうがいいと渡された戯曲のうちの1冊で、そのなかでも気になる作品となったそうだ。「もともと自分があまり勇気を出せるタイプではないので、こういう戦ってる女の子が好きだったんです。しかもアンチゴーヌは当時の私と同い歳。
このヒロインを見てみたいと思ったんですね」。
では、アンチゴーヌは何と戦うのか。生瀬勝久演じる王クレオンが象徴する“国家”“法律”といったものである。国家の反逆者として亡くなり埋葬を禁じられた兄の遺体に、弔いの土をかけて捕らえられるアンチゴーヌ。