くらし情報『G2翻訳・演出の日本初上演作は新感覚な芝居』

G2翻訳・演出の日本初上演作は新感覚な芝居

異なる人間たちが同じ問題について喧々諤々言い争ったり共感したりしながら、やがて現実世界へつながっていく。しかも、それがワールドワイドに行われているのがいいなと思うんです。西海岸のサンディエゴ、東海岸のフィラデルフィア、主人公家族の故郷であるプエルトリコ。それから、日本の北海道まで登場するのが何とも身近に感じられる。登場人物は3人のプエルトリカン、黒人、白人、日本人なんですけど、それぞれのエピソードにも、“そんなことがあるんだ!?”と発見をもたらしてくれる新鮮さがあって。観終わったあとにはカタルシスを感じられると思うんです」

さらに魅力に感じたのが、「どう演出していいかわからない(笑)」ところだと言う。「旧来のドラマツルギーで構成されているのではなく、いろんなスケッチがコラージュされているような新感覚の戯曲なので、“舞台の上で一生懸命生きる”みたいなことだけでは作れない気がするんですね。僕自身も役者も感性を磨いて、その人間関係が醸し出す空気感とかをなんとか探り出し提示していく必要があるなと。
役者がそこにいれば“わかる”という感覚になる。そういう演劇ならではの宝物がいっぱい詰まっている本なので、それを掘り出すべく格闘したいです」

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