NAPPOS PRODUCE『斜面』 撮影:鈴木穣蔵
カンパニー「デラシネラ」を主宰する演出家・振付家の小野寺修二とバレエダンサー・首藤康之によるコラボレーション企画『斜面』(作・演出:小野寺修二)が6月9日、池袋の東京芸術劇場シアターウエストで開幕した。
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小野寺と首藤が初タッグを組み伝説の舞台となった『空白に落ちた男』から節目の10年、ふたりが挑戦を続けるフィジカルシアター・シリーズの第4弾だ。ある男の幻想のような旅を、パントマイマーとバレエダンサーのしなやかな身体と美しい照明でつづっていく。追う者と追われる者、それぞれの視線、現実と夢のねじれが、ヨーロッパ映画のように展開する舞台となっている。
鋭角な斜めが多様された舞台美術。幕が開き、目つきの鋭い男(雫境)が現れる。追っていたのか追われているのか…。すべての世界をシャットアウトしたように男の動きが止まり、『斜面』の“物語”は始まる。
舞台は一転、ひとつの椅子とごく普通(に見える)の男(首藤)。競馬場、お金、女(藤田桃子)の何かの依頼、アタッシュケース、地中海…さまざまな象徴が多角的に絡まり、普通に見えた男の“物語”も動き出す。