くらし情報『玉三郎が『阿古屋』で芸の円熟と継承を示す、十二月大歌舞伎』

玉三郎が『阿古屋』で芸の円熟と継承を示す、十二月大歌舞伎

私自身、最初はおぼつかない中でやらせていただき、20数年経って手慣れてきたところもありますから、とにかくやれる時にやっておかなくてはと考えました」

ことある毎に阿古屋をやらないかと後輩たちに声をかけてきたという玉三郎。その中で、実際に三曲の技芸を磨き、玉三郎に聴かせるまでに至ったのが、梅枝と児太郎だ。「今年の6~7月頃、三曲を聴かせてもらって決めました。私が9、10月は舞台があって教えられないので、8月にはもう全て移してしまい、あとは自習ね、と。(11月に入った)昨日もお稽古をしてきました。梅枝くんはもともと三味線が上手ですし、ふたりとも胡弓が意外と良いですね。楽器に向かうとわかるのですが、児太郎くんは若いけれど娘方ではない雰囲気がある一方、梅枝くんには若い味があります。いずれにしても難しいのは、奏でながら役にならなければいけないところ。
私も初演の時、(歌右衛門から)弾き過ぎないでね、と言われました。弾くことばかりで役を忘れないように、という意味だと思います。楽器を通して表さなければならないのは、源平の合戦に関わった傾城の心なんです。私も初演時は頭がパンパンでしたが、やはりそれをしないと先に行けない。

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