そこでなにか新しいルールというか、日常の支えが欲しいなと思って。それが今回の創作の原点になっています」。そんな福原の構想を聞いて富岡は、「福ちゃん(福原)が今思っていることが作品になるわけですから。しかもモチーフがないという意味ではすごく久しぶりの作品なので、その点でも楽しみです」と期待を寄せる。
今回の客演陣は、安藤聖や町田マリーら“ツーカー”な面々が多いことに加え、中には近年母親になった人も。そして全員が女優という点について、福原は「改めて女優さんって生き物は面白いなと思って」と語り、続けて「それこそトミー(富岡)は大御所の女優さんみたいですから」と笑う。するとすかさず富岡が「えー!」とひと言。笑いつつ、「僕は基本、仲がいいのは女優さんが多いので、すごく居心地よくやれるんです」と、信頼を置く女優陣との共演に心弾ませる。
作品全体の肌ざわりについて福原は、「現代口語演劇の前夜にあったような、いわゆる演劇っぽい会話劇。翻訳劇かな?っていうような」と明かす。だが“サルでもわかる哲学”をテーマに掲げる彼らの作品は、決して難解なものではなく、あくまでエンタテインメント。だが持ち帰るものは非常に多い。