新国立劇場演劇新シーズンで「個と全体」テーマの新シリーズ開始
×近藤良平(振付)による新作が2作連続で上演となる。
小川が力を込めて語ったのは、ロイヤルコート劇場とのコラボレーションによる劇作家ワークショップの企画だ。小川が同劇場を表敬訪問した際に話が出て、実現に至った。ロイヤルコート劇場の現役作家が1年の間に3回に分けて来日し、日本の若き劇作家とともに新戯曲を作り上げていく。
小川は「劇場が作品を発表するのは当然ですが、作品を“作る”機能を大事にしていきたい。新しい作品を作ることができる“場所”を作ることに価値が生まれるし、それをさらに若い世代に渡せるように、私の任期中に(仕組みや場所を)作っていけたら」と同プロジェクトに対する強い思いを口にした。
また、歴代最年少で同劇場の演劇部門芸術監督となった小川は「若い観客の獲得」も自らに課せられた仕事であると語る。とはいえ、若い人気俳優のキャスティングといった1回限りの即物的な施策ではなく「あくまでも私の好きなテイストを守りつつ、“作品の力”をつけていけるようにしたい」と今後に向けた意気込みを語った。
取材・文・撮影:黒豆直樹