前川知大
“SF”にこだわり続け、唯一無二の作品世界で多くの演劇ファンを魅了している「イキウメ」。6年ぶりの上演となる『獣の柱』は、見る者に恐ろしいほどの幸福感をもたらす小さな隕石、そして空から降ってくる巨大な柱によって、世界が大きく変わっていくパニックSFだ。そこで今回の再演を前に、作・演出を手がける前川知大に話を聞いた。
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代表作の『散歩する侵略者』をはじめ、イキウメには再演を重ねる作品が多い。荒唐無稽ともいえるアイデアからスタートした脚本を、ブラッシュアップし再演を繰り返すことで作品を研ぎ澄ませ、アーカイブしていきたい。そんな前川の思いがあるためだ。「この『獣の柱』に関しても、いつか書き直さなきゃと思っていたんです。すごく長いスパンのお話なだけに、個々の登場人物のバックボーンを普通に打ち出していくと、ものすごく上演時間が長いものになってしまう。
あと、公演をすることで、作家の自分はこんなことを考えていたのかと、演出家の自分が気が付いていくところがあります。前回も、自分でも最後までわからなかった。今回まずやるべきはそのテーマをはっきりさせることであり、それが今ようやくつかめてきた感じです(笑)」