歌のDNAを受け継ぐ注目のヴァイオリニスト。北欧の名門と共演
彼は一緒に『呼吸』してくれるので、私はとても自由に弾けるのです」
彼女自身も「歌」の中で育った。「ピアノを弾く父の膝の上で、たくさんの歌手たちの歌い方や呼吸を聴いて育ちました。演奏家はみんな、歌の真似をしているのだから、私にとっては歌が先生です」
幼い頃から夏休みは、葛飾区柴又の帝釈天近くの祖父母の家で過ごした。「親と離れて、祖父母に可愛がられて過ごすのだからパラダイスです(笑)!東京の蒸し暑い夏も大好き。やわらかい空気や言葉、食べ物。すべてが大切な思い出です」
子供時代に1番好きだった日本食は、「カッパ巻き!(笑)その頃はお刺身が食べられなかったから。納豆だって食べられますよ!」
帝釈天といえば「寅さん」だ。現在彼女が暮らすウィーンには、葛飾区と友好都市関係を結ぶフロリズドルフ区があり、そこには「寅さん公園」もあると伝えると、「今度行ってみるわ!」と目を輝かせた。
公演の聴きどころを、「カラフルなコンビネーション」と語る。「デンマークのオケ、イタリア人指揮者、ドイツと日本の血を引く私。いろいろなバックグラウンドがミックスされるコンサートです。私が大好きなデンマーク家具のデザインを見てもわかるように、彼らはとてもクリエイティブ。