劇団四季『ノートルダムの鐘』が2年ぶりに京都で上演!
初演から一緒に作品に携わってきた尊敬する先輩の芝清道さんからは、“一生に一役はピタッとハマる役がくる。それがカジモドなのかもしれないね”と言っていただき、すごくうれしかったですし、それを信じてもっといいものを作っていきたいと思います」。
現在は名古屋で上演中だが、その開幕前には海外のクリエイティブスタッフが来日し、ブラッシュアップ稽古を行った。特に、フロローとカジモドの関係性がよりリアリティを持ったものになったという。「父親代わりでもあるフロローの暴力性がより際立っています。最初はそんなフロローに従順だったカジモドが、エスメラルダと出会い、自分の意思で愛する人を守ろうと行動する。最初に絶対的な力の差を見せることで、物語が進んだときのカジモドの成長や、フロローの幼稚さがより浮き立つようになったんじゃないかなと思います」。宿命とどう向き合うのか、他者を認めることができるか。
美と醜、愛と欲、善と悪など、相反する特徴を持ったキャラクターたちが織りなす人間ドラマに、さまざまなメッセージが込められている。「何をもって“人間”とするか、淘汰される人たちは何をもって“怪物”とされるか。エンディングを迎えるまでは、登場人物それぞれが自分の正義を貫き、歪みを生み出してしまうこともありますが、最後には、他者同士が理解し合って、分かり合える温かい未来がくると願おうという曲があり、救い、希望、祈りなどの思いが込められている。