向井理
大学時代には遺伝子工学の研究で一定の成果を挙げ、卒業後は実力派バーテンダーとして店を任されるなど多彩なバックボーンからも、幅広い教養と底知れぬプロ意識を感じさせる俳優の向井理。「ラクして良かったなと思ったことがないので。なるべく大変なことをやりたい」との思いで、1年に1本を目標に取り組むのが舞台だ。「去年できなかった分、これまで蓄積してきたものを披露したい」と気合い十分に挑むのが、市井の人々への眼差しに定評のある赤堀雅秋が書き下ろす、群像劇『美しく青く』。赤堀が描く他人の生活を覗き見するような「生々しい作品」に惹かれると言う向井にとって、念願の初タッグが実現した。
「美しく青く」チケット情報
震災から数年後の日本。とある集落では日々獣害が深刻化していた。地元の缶詰工場に勤める青木保(向井理)は自警団を結成しリーダーを務めるが、住民らの士気は一向に上がらず…。
「自分たちの日常の延長線上にあるような生々しい世界観の中で、自分だったら巻き込まれたくないような環境や状況も、客席から俯瞰で観ているとどこか滑稽で面白い」と、赤堀戯曲の魅力を語る。「劇中ではみんな結構くだらない話をしているのですが、でもそれが今後の展開のヒントになったり、後に物事が大きくなる火種になったりする。