いま話題のピアニスト野田あすかが、満を持して、12月に新曲を発表
野田あすか
発達障害のピアニスト野田あすかが、昨年につづいて公演を行なう。前半はクラシック作品、後半は自作という構成だ。
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前半で弾くヒナステラの《アルゼンチン舞曲集》(全3曲)についてこんな話をしてくれた。「1曲目は〈年老いた牛つかいの踊り〉という題名なんだけど、私が聴く限りはものすごくキレがいいんです。“年寄りじゃないだろう!”ってツッコミたくなる(笑)。3曲目は〈はぐれ者のガウチョの踊り〉。みんなとはぐれてどこかに走って行っちゃうカウボーイのお話なんですけど、ちょっと行き過ぎ(笑)。みんなの元に戻れたのかなって心配しちゃいます」
視点が面白い。
どんな音楽でも、このようにストーリーを考えながら弾いているのだそう。「作曲家がどう考えたのかをちゃんと調べて再現するのが大事だということを、知識としては知っているんだけれども、それをわかったうえで、私は自分の色を入れるほうが、弾きやすいし伝えやすいんです」
でも、音楽学的な知識と同じぐらい、あるいはそれよりずっと、楽譜に向き合ってたどり着いた解釈が大事なはず。その意味で彼女は正統的だ。障害のせいで図形の認識が苦手。