瀬奈じゅん、『ラ・マンチャ』で体当たりのヒロイン役!
主人公の田舎の郷士キハーナは、自らを遍歴の騎士ドン・キホーテと思い込み、悪を成敗する旅に出る。白鸚は作者セルバンテス、キハーナ、そしてドン・キホーテの3役を演じ分け、瀬奈は囚人として、ドン・キホーテには憧れの姫ドルシネアに見える、あばずれ女アルドンザを演じる。
オーディションでヒロインの座を射止めた瀬奈。『ドン・キホーテ』はシンシア・ハーヴェイ出演のアメリカン・バレエ・シアターの作品で慣れ親しみ、幼少期は祖父の家に飾られたピカソが描いたドン・キホーテの抽象画が大好きだったと振り返る。「陽気だけど影もあり滑稽さも感じられる絵の世界観が大好きでした」。そして初めてミュージカル版を観た際には、出演者らの気迫に圧倒されたという。「ギターの音色に合わせて踊る、そのシルエットから始まり、冒頭から早くも鳥肌が立ちました。ドン・キホーテの台詞ひとつひとつが深くて、観る度に捉え方が変わる。
それは演じる白鸚さんご自身が積み重ねてこられた人生そのものに起因することなんだろうなと。歴史ある作品を前に今必死にお稽古をしています」。
稽古では「相当な気力と体力が必要な役だと実感した」という瀬奈。「短い間に様々なことが凝縮された劇中劇なので、瞬発力が必要ですし、アクロバティックな演出もあり、家に帰ると何でこんな所にアザが?という感じ。