無料のカフェやバー、そしてたくさんのとてもきれいな練習室。みんないつもそこに入り浸って、大家族みたいな感じなんですよ。だから音も全員で一緒に作っているという感じで、和気あいあいとしたアンサンブルを聴かせてくれるのです」
今回来日する指揮者ロウヴァリとは初共演。「とても楽しみです。よい噂しか聞きません。若くて勢いを持っているうえに、とても真面目で、すでに成熟した音楽家だと話題ですね。日本公演の前に2月にスウェーデンで同じプログラムを弾く予定です」
ベートーヴェンの初期作品であるピアノ協奏曲第2番は、じつは第1番より先に作曲された、実質的には最初のピアノ協奏曲だ。「よくハイドンみたいで軽いと言われるんですけど、私はどちらかというと、すごく芯のある作品だと思っています。
とても男性的。若いベートーヴェンの、理想と元気と夢が全部混ざった、とても機嫌のよい曲です。もちろんショパンみたいにフレキシブルに動いてはいけませんが、でも動かないと面白くない。動かないようで動いているような「間」。そのタイミングを、オケのひとりひとりと指揮者とソリストでやりとりして、同じ言葉で会話できれば、毎回舞台の上でちょっと違うことができます。