くらし情報『ソーラン節に心掴まれる!ゴツプロ!新作、間もなく開幕』

ソーラン節に心掴まれる!ゴツプロ!新作、間もなく開幕

そんな彼らのもとに、かつて玄吾と同じ戦場で足軽をしていた長治(浜谷康幸)が、「問題を起こした漁師の義弟を鍛え直してほしい」と義弟・遼太(関口アナン)を連れてやってくる――。

劇中ではさまざまなことが起きるが、この作品では、そこで白黒はっきりつけるとか、膝突き合わせて向き合うとか、そんな展開はあまり見せない。そっとしておいたり、みんなで笑って発散したり、やさしくうながしたり…さりげなく、何かを逃がすように事をおさめていく。うっかりしていると見逃しそうな静かなやり取りだが、客席にいるとそこから受け取るものは大きく、気持ちはドラマチックに動かされた。

物語が進むにつれ、さまざまなことがわかってくる。なぜ遼太が問題を起こしたのか、なぜ長治は玄吾を尋ねて来たのか、なぜ漁師たちがやさしいのか…。それは思わぬ理由ばかりだし、中には何とも言えない理由もあった。ただ、そこでモヤモヤッとした空気が漂っても、誰かが民謡を歌うと、一気になにかが晴れるような、でも逆に包み込んでもいるような、そんな不思議な感覚があった。
歌詞がストーリーに寄り添っているわけでもないし、もちろんミュージカルのような歌とも違う、けれど唄が説得力を持って響くのだ。

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