バレエのファンの方や子どもたちが観て、バレエっていいなと思ってもらえるよう、バレエの醍醐味をしっかりと伝えたい。バレエには懐の深さ、広さがあります。また、トウシューズならではの表現や、バレエダンサーの持つ身体の軸の強さに、僕は惹かれるのかもしれません」
そう話す森山の手には、自作の可愛らしい亀の模型が。美術、衣裳のデザインでもその才能を発揮、おもてなし担当のお茶目なフグ、タンゴを踊るイカの三兄弟など、遊び心満載のキャラクターを生み出した。森山ワールドとも呼ぶべきそのユニークな発想の源は──?
「妄想、です(笑)。語呂合わせや駄洒落で遊び、出演者の皆にも楽しんでもらいたいと思っているんです」
主演は米沢唯と井澤駿、池田理沙子と奥村康祐、木村優里と渡邊峻郁という3組のカップルだ。
「バレエ団のモチベーションは高まっている。新型コロナウイルスのことがあって、自粛生活があって、皆さんの中で時間の感覚に対する意識が変わった部分があるのでは。
劇場は玉手箱、時を封じ込めた場所でもある。時とともに、皆の思いも閉じ込めたこの劇場に、足を運んで頂けたら嬉しく思います」
公演は7月24日(金・祝)から31日(金)、東京・新国立劇場オペラパレスにて。チケットは発売中。
取材・文:加藤智子