京都府立文化芸術会館に集まる妖気を保安するべく劇場へとやってきた保安協会員と、保安協会のインターン生として同行する史跡研究会の学生たち。彼らが調査を進める中、時空の歪みが発生。異世界で『夏の夜の夢』を上演していた劇団員が紛れ込み…。
保安協会員や学生をはじめ、第1弾で物語の主軸を担った夫婦、保安協会員と犬猿の仲の骨董屋、天狗など、前作までに登場したキャラクターが勢ぞろいする他、時空の歪みをきっかけに出現する新たなキャラクターも加わり、ドタバタと展開していく。一人二役を担うヨーロッパ企画のメンバーは、画面から消えたと思えば、数秒後には別の人物として現れるという早替えの妙でも楽しませてくれる。
ヨーロッパ企画の劇だけにユルい空気感は漂いながらも、緊張感ある生の息遣いと、映像でしか成し得ない演出。役者が客席、ロビー、舞台上…と、劇場内外を動き回る中で、緻密に構成されたカメラワーク。無観客で、映像で、劇場で、そして劇団でやる意味を追求したからこそ生まれたであろう本作。
アフタートークまで視聴すれば、再び見直したくなること間違いない。PIA LIVE STREAMでは、10月4日(日)までアーカイブ配信中。視聴券の販売は4日(日)20時まで。
取材・文:黒石悦子