城田優『NINE』で英語歌唱、「多言語のエンターテインメント楽しんで」
上演にあたって「この2020年にふさわしい様々な国の言葉や字幕を使った、多言語のエンターテインメントな内容」とコメントを寄せる通り、冒頭の「Guido’s Song」全編を英語で艶っぽく歌唱。ステージ上の様子を収めるライブカメラの映像がスクリーンに映し出される演出に、観客はグイドを主人公とする“映画”の世界へ自然と誘われていく。
グイドを取り巻く女性陣の緩急自在なパフォーマンスからも目が離せない。妻を演じる咲妃は「My Husband Makes Movies」で、夫に対する諦念を落ち着いた低音に滲ませた。すみれは、グイド作品の主演女優にして彼のミューズであるクラウディア役。不覚にも彼を愛したものの、別れを決意する思いを「Unusual Way」に乗せて歌い上げる。
特筆すべきは、ショーアップされたラ・フルールの「Folies Bergeres」。脚線美を余すところなく披露した前田が、持ち前のレビュー精神を発揮して歌い踊るさまは必見だ。
幼いグイドに性の手ほどきをした娼婦サラギーナ役の屋比久知奈も、「Be Italian」の野性味あふれる歌声で客席を魅了していた。
上演時間は約155分(休憩含む2幕)。