ロボットが教えてくれる温もり――劇団四季『ロボット・イン・ザ・ガーデン』好評上演中
『ロボット・イン・ザ・ガーデン』 撮影:阿部章仁
劇団四季『ロボット・イン・ザ・ガーデン』が現在、東京・自由劇場で上演中だ。原作はイギリスの作家デボラ・インストールの小説。2016年のベルリン国際映画祭では「映画化したい一冊」に選ばれた、世界中で愛されている物語を、台本/作詞・長田育恵、演出・小山ゆうなという、今もっとも演劇界で注目される気鋭のクリエイターが舞台化。劇団四季のオリジナルミュージカルとしては、ファミリーミュージカルをのぞき、16年ぶりの新作となる。
アンドロイドが人間の仕事を担い、その恩恵に預かる人もいる一方、職を奪われた人もいる近未来のイギリス。両親を事故で失ったことから無気力に日々を過ごしているベンは、庭に旧式のロボットが迷い込んだのを見つける。タングと名乗ったその壊れかけのロボットになぜか心惹かれるベン。一方で妻エイミーはそんなベンに愛想をつかし家を出ていってしまう。
喪失感や葛藤を抱えながらも、このままだとまもなく止まってしまいそうなタングを修理するために、ベンはタングとともに旅に出る……。
近未来を舞台にしながら、描かれるのは、自分の思いを大切にすることだったり、相手を思いやることだったりと、アナログでプリミティブなテーマ。