まもなく2021/2022シーズンが幕開けとなる新国立劇場。バレエの開幕公演では、吉田都舞踊芸術監督の陣頭指揮による新制作、ピーター・ライト版『白鳥の湖』の上演が、1年の延期を経てついに実現する。9月28日に催された制作発表で、芸術監督2期目を迎える吉田が、作品の魅力、意気込みを語った。
「本当にいろいろなことがありましたが、とてもいい、実りあるシーズンでした」と初年度を振り返る吉田。新型コロナウイルス感染拡大による影響で、公演中止をはじめ様々な事態に直面した。『白鳥の湖』の新制作も海外からの指導者の招聘ができず準備半ばで断念、演目変更を余儀なくされただけに、再挑戦への思いは強い。
「ダンサーたちには踊る喜び、演じる楽しさを味わってもらいたい」と吉田は言う。英国の振付家、ピーター・ライトによる『白鳥の湖』は、吉田自身が現役時代、初めて主役を踊った作品だ。
「とてもロジカルで、ダンサーたちも演じやすいはず。舞台上の全員が、自分がどういう役柄で、なぜここにいるかということが明確になっています」と、英国ならではのドラマティックな作品であることを強調した。
オリジナルを忠実に再現した衣裳も大きな魅力だ。