くらし情報『新国立劇場が今秋からの新シーズン演目発表』

新国立劇場が今秋からの新シーズン演目発表

題名役はロシアを代表するバスのエフゲニー・ニキティン。
《リゴレット》はビルバオ・オペラとリスボン・サン・カルロス歌劇場の共同制作。イタリア・オペラの巨匠ベニーニが指揮する。
大野は芸術監督就任以来、レパートリー拡充を重要な課題に掲げ、1シーズンの新制作演目をそれまでの3本から4本に増やして上演してきたが、それがいったん元に戻ることになる。大野によれば、コロナ禍のために2019/20シーズンの後半5演目が上演中止になったことなどの経済的ダメージによるもの。来季のレパートリー演目についても、この2年の間に延期された演目が入ってきたことで、自身の当初の構想に照らすと多少例外的なシーズンになるなど、苦しい事情も吐露した。
なお、大野芸術監督が指揮する《ボリス・ゴドゥノフ》《ラ・ボエーム》(2023年6~7月)と、1997年開館時のこけら落とし演目で5年に一度上演している《アイーダ》(2023年4月)の3演目は、「開場25周年記念公演」と銘打って上演される。《ボリス》《ボエーム》の2本は大野自身の指揮で、新しい時代の狼煙を上げるという。

いまだ収束の見えないかコロナ禍や世界的な政情不安が渦巻くなか、芸術に何ができるのか。25周年の新国立劇場がそれをどのように示してくれるか、期待して注目したい。
(取材・文:宮本明)
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