くらし情報『坂本昌行『凍える』で連続児童殺人鬼に、「聴く耳広げ人物像を構築したい」』

2022年9月2日 10:03

坂本昌行『凍える』で連続児童殺人鬼に、「聴く耳広げ人物像を構築したい」

でも気迫がこもった登場人物の独白を通じて“ひょっとしたら過去にこんなことがあったのかな”と観客の皆さんにイメージさせることはできる。そのために彼が幼少期に受けた“傷”を深く考えながら役と向き合っていきたいですね」と坂本。「誰しもこの世に産まれた瞬間から凶悪ではないですし、純真無垢だった時期もあるはず。周りの環境に左右されてしまった側面もあるでしょうし、ラルフがそこへ至った経緯をしっかり考えたい」と続く。

折しも、栗山は登場人物の内面を克明に見せる硬質な人間ドラマに定評がある演出家。坂本とは、彼の初舞台でもあるミュージカル『阿国』(1992年)以来の創作となる。「先輩キャストの方々に『もっとないのか』『他にもあるだろう?』と投げかけていた栗山さんの演出がとても印象的で。ものづくりに徹底して向き合うプロ集団の凄みを実感し、舞台の魅力にハマった現場でした」とデビューする前の若手だった当時を振り返った。
30年ぶりのクリエーションに対して「聴く耳を大きく広げ、栗山さんとの議論でラルフ像を構築していきたい」と意気込んだ。三者三様の独白後、繰り広げられる長野ナンシーや鈴木アニータとの“対峙”にも注目したい。

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