2022年9月22日 16:00
開催迫る♪3年ぶりに海外より参加「アジア オーケストラ ウィーク2022」
21世紀の今、西洋モダンオーケストラは世界で最も普遍的な「楽器」のひとつであることは、否定しようがない事実だ。とりわけ東アジア地域では、ことによると各地の民族伝統楽器よりも遙かにポピュラーなメディアかも。
3年ぶりに海外オーケストラを招き開催されるアジアオーケストラウィーク2022の開幕を飾るのは、アジアにオーケストラ音楽の基礎を築いたフィリピンの団体だ。日本にも西洋音楽がもたらされた戦国時代頃にスペイン植民地となり、カトリック教文化が5世紀にわたり根付いた南の島々には、世紀単位の西洋音楽文化の積み上げがある。結果としてフィリピンはアジア地域に於ける西洋音楽演奏の最先端地域であり続け、アジア各地に多くの音楽家を出してきた。余り知られない事実かもしれないが、例えば「アジアで最も古いオーケストラ」とされる上海交響楽団の前身もフィリピン人バンドなのである。
西洋音楽を文字通り血肉としてきたそんな国にあって、アメリカ統治下の1926年に設立されたマニラ交響楽団は現存する最古のオーケストラの一つだ。祭りの開幕に老舗が披露するのは、フィリピンの山田耕筰かはたまた古関裕而か、と称すべき国民的作曲家ルシオ・サン・ペドロの交響詩。