2022年10月5日 13:30
指揮者マンゼ、NDR北ドイツ放送フィルを率いて待望の来日!
私たち自身、聴衆から大きなインスピレーションを受けているのです」
メインの演目の一つであるベートーヴェンの《英雄》は、2012年のN響客演の際にも取り上げたマンゼの得意とするレパートリー。「言うまでもなく、《英雄》は西洋音楽の流れを変えた画期的な交響曲です。冒頭の2つの和音は、ベートーヴェンがまるで『私の話を聴け!』と言っているかのようで、そこから驚くべき旅が始まります」
また交響曲第7番については「強いリズム感と緊張感が曲全体を貫く、エネルギーそのものが表現されている曲」と彼は語る。モダン楽器を使用しつつ、歴史的奏法を取り入れた溌剌とした演奏が期待できよう。
ゲルハルト・オピッツをソリストに迎える2曲のベートーヴェンのピアノ協奏曲については、「まったく性格の異なる曲」と話す。「第4番はピアノとオーケストラの間に交わされる親密な詩のようであり、他方で第5番は壮大な建築物のような曲です。オピッツさんとは初めてご一緒しますが、ドイツの正統的なピアニズムを受け継ぐとても気品のある演奏家だと思います。特に、自己顕示欲とは無縁で、音楽を深く追求するその姿勢には強く共感します。
きっと楽器から直接観客に音楽が伝わるような、すばらしい演奏になることと思います」