どこを切っても愉快なメロディに溢れたオペレッタ『天国と地獄』
2019年公演より舞台写真(撮影:三枝近志)
東京二期会オペラ劇場 オペレッタ『天国と地獄』がいよいよ11月23日(水・祝)から日生劇場にて上演される。
東京二期会オ
『天国と地獄』は、ギリシャ神話をオッフェンバックがパロディ化した作品だ。もともとは、吟遊詩人オルフェウス(オルフェ)が、毒蛇にかまれて死んだ妻エウリュディケ(ユリディス)を取り戻すために冥府の王のもとに向かい、2人はあともう少しで現世に戻れるというところで、ある過ちから永遠の別れを迎える…という悲話だが、オッフェンバックはパロディや風刺の要素を多分に取り入れ、どこを取っても愉快なメロディに満ちた喜歌劇に作り変えた。オッフェンバックの最高傑作という声もある、人気の高いオペレッタだ。
今回の上演は、2019年に好評を博したプロダクションの再演となる。演出は2004、2010、2016年に読売演劇賞最優秀演出家賞を受賞し日本の演劇界の第一線で活躍を続ける鵜山仁。これまでにも東京二期会で『ラ・ボエーム』『ナクソス島のアリアドネ』の演出を手掛けており、『天国と地獄』ではとりわけフランス文学に造詣が深い鵜山が自ら日本語台本を書き下ろしている。