くらし情報『科学者として生きたひとりの女性マリー・キュリーの、ひたむきな姿を描き出す』

科学者として生きたひとりの女性マリー・キュリーの、ひたむきな姿を描き出す

科学者として生きたひとりの女性マリー・キュリーの、ひたむきな姿を描き出す

撮影:金井まゆみ


マリー・キュリーという、放射性元素の研究で大きな功績を残した科学者の姿を描いたミュージカル。
アカデミックな内容がかかわるだけに、とっつきにくそうなイメージがないとは言えない。だが実際に公演(ゲネプロ)を通して感じたのは、知的探求心に富んだマリーのまっすぐな生きざま。彼女の研究への情熱が、夫・ピエールへの愛と信頼が、そして友・アンヌとの交流や研究をとりまくさまざまな物事への思いが、ドラマティックなメロディーで紡がれていく。
キャストも各々の役割をきっちりと見せている。ゲネプロ前の囲み取材でマリー役・愛希れいかは「ミュージカルだけれどもとても演劇的な作品」、演出・鈴木裕美は「一人ずつの人間が浮き上がってくるように」と語っていた。それが見事に表現され、見ごたえがある。

本作は「Fact(歴史的事実)×Fiction(虚構)=ファクション・ミュージカル」と銘打たれている。
Factがマリーの研究に没頭する姿やピエールとのパートナーシップ、そして彼女が発見したラジウムを巡る葛藤であるならば、Fictionの多くはルーベンとアンヌについての造形だろうか。
ルーベンはマリーの研究の後援者でラジウム工場のオーナーだが、時には狂言回しであり、メフィストフェレス的な、いわばマリーの“影”だ。

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