「自己主張は自分にすればいい」蛭子能収のインタビュー(2)
紙と鉛筆、パソコンさえあれば1人でできちゃいますしね。お金もかからないし、おひとりさま向けです。
蛭子:もし何か表現したくて悶々としている人がいればですよ。なんにもしなくても楽しい人は、それはそれでいいと思います。
自己主張すると何かと面倒が多い!?――自分をアピールしろと言われがちな社会ですけど、この本の一章分を割かれていた「自己主張しない」というメッセージは新鮮でした。
ただ、現実的にはまったく自己主張しないわけにはいかないとも感じていて。蛭子さんのこれまでのご経験のなかから、最低限ここだけは周りに主張した方がいいということはありますか?
蛭子:俺の思う「自己主張しない」というのは、集団がいたときに自分がそこのトップになるんじゃなくて、隅の目立たないところにいた方がいいよってことなんですね。トップに立つと人の面倒を見たりする責任が出てきます。
そんな立場にはならない方が自由に心を持っていられるということなんです。自己主張は自分の心のなかにこそ持っているべきで、それを口に出して言わない方がいいと思うんですよ。自分にただ言い聞かせるだけで。そうしたら人と喧嘩しなくて済むし。自己主張を口に出していうと、ほかの人の自己主張と対立してしまうかもしれないから。