人の言いなりになっていたら明日死ぬかもしれない/雨宮まみ×青野賢一対談
そういうことで私たちは座ってます。
まずは、『アドバンスト・スタイル』に対する率直な感想としては、「いくつになってもファッションっていいよね」っていう当たり前の話は大前提として、出演者が歳を取っていくことに関するシークエンスが印象的でした。
雨宮:そうですね。本当に生きること、装うことが戦いというか、今、人のいいなりになっていたら明日死ぬかもしれない、という切実さが感じられました。そういうことが老いを通じて伝わってくるように描かれていましたね。
青野:舞台であるニューヨークと日本を置き換えるとまた違うところがあるかもしれませんね。ファッションと自分の関係性というか、ニューヨークだからこそ成立することもあります。
雨宮:ありますね。
出演者の有名ファッションブロガーが歩いているときに、「あなた有名人でしょ!知ってる!一緒に写真撮ってー!」って気軽に声かけるノリは、東京じゃあまりないなと。あと、『アドバンスト・スタイル』はブログから出発していますが、そういう新しいものが出てきたときに、認められるスピードもとても速いですよね。私は『アドバンスト~』の写真集を知った頃に、ちょうどL’idéalというブログを見つけたんです。