人の言いなりになっていたら明日死ぬかもしれない/雨宮まみ×青野賢一対談
青野:そうですね。ちょっと失礼ですけど、「大阪のおばちゃんの代名詞はヒョウ柄」みたいな言い方されますよね。ビームスで89年頃に大きな店が大阪にできたんです。その時の商品の配分を思い出すと、同じブランドの中でも、やっぱり大阪用はめっちゃ派手な服ばっかりで(笑)。
もちろんちゃんとそういうのが売れるお店とお客さんの関係性っていうのがあるんですが。
雨宮:大阪に行くと、派手なものに対して躊躇しない姿勢が気持ちよく感じるんです。むしろ、地味で目立たないものなんか買っても意味ないじゃん、ぐらいの感覚がありますよね。でも、東京では目立つものに手を出すのに躊躇しちゃう。
自分も人も、他人の視線に怯えてるな、って感じることはあります。
青野:特にリアルな場面とか、対面する場だと過剰にそういうのがありますね。
ただ一方で、インスタグラムとかであれば逆に個性を全面に出していく。そのアンビバレントなところの面白さは現代にあるなと感じます。埋没しないファッションって?
『東京を生きる』著者:雨宮まみ(大和書房)
雨宮:青野さんはお仕事柄、ファッションには気を遣われていると思いますが、埋没しないようにとか、逆に浮かないようにとか、そういうことは考えます?
青野:僕はそんなに考えてないかも。