人は歳をとると自分自身を受け入れる。私は私どうにもならない/雨宮まみ×青野賢一対談(2)
「存在感がある」「すごくシックだね」「ゴージャスだよ」とか…。「かわいい」とか「きれいだね」はほとんどなかった。
こんなにたくさんの褒め言葉があるのに、なぜ「かわいい」だけになってしまうんだろうって、褒め言葉の貧しさを感じてしまいました。「かわいい」以外にも、自信を持たせてくれる言葉はたくさんあるのに。
青野:かわいいといっときゃ、何か伝わっている気がするみたいなのはありますね。
雨宮:どんなに褒められても、「かわいい」と言われないと不安になる気持ちも正直あります。
「かわいい」と言われることが好意の証、みたいに思っちゃうんですよね。
青野:すごくレンジが広い言葉ですよね。
なので、便利な言葉というところはあるかもしれません。
雨宮:ちょっと褒める時に、ほとんどその言葉でまかなえるので、豊かな言葉ではあるんですけど、歳を取るとやっぱりかわいいと縁を切らなきゃならなくなるっていうことがすごく恐怖で。でも『アドバンスト~』のこういう形で美しく着飾っている人を見ると、かわいいとかにこだわってる場合じゃないよなって。元気付けられます。力強いですね。
青野:パワフルですよね。白いフリルのついた傘が映画に出てくるんですけど、可愛いという言葉で表現されるような小物でも、たとえば違うスタイリングをしたら、また違う存在感や価値を与えられる。