人は歳をとると自分自身を受け入れる。私は私どうにもならない/雨宮まみ×青野賢一対談(2)
雨宮:ただ一言、賞賛したいだけなんですけどね。でも、そういう声のかけ方に慣れてないので、どうしても不自然になりそうです…。
青野:そこで、うまく伝わればいいんですけどね。なんて一言目にしようとか考えちゃう(笑)。
『東京を生きる』著者:雨宮まみ(大和書房)
雨宮:『東京を生きる』でも書いてるんですけど、たまに本当に素敵な人を見かけることがあって、そのコーディネートやその人の佇まいをしっかり見たくて、しばらくそっと追いかけちゃったりすることがあります。
ほんとは写真撮りたいくらいなんですけど…。我慢して、目に焼き付けてます。
青野:本の話が出ましたね。
今、雨宮さんが目に焼き付けるといいましたが、ぼくは『東京を生きる』を読んで、あなたの目線の強さというか、見る力がすごいなと思って読んでいたんです。
なんでもない景色に関するディテールの言及の仕方とか、人の姿を見る視点がすごいなと。だから僕も今日気が抜けない感じで(笑)。
それは自意識過剰かもしれないけど、そう思ってしまうほど、目の力が凝縮されている本だなって。
雨宮:見るのは確かに好きなんですよね。でも、自分の見たものの中からいいものを選べるかというとそうでもなくて、たくさん見ていると、どれもいいと思ってしまうんです。