「40代は”女子”じゃない」論争に、そろそろ決着をつけようか
「40代は”女子”じゃない」論争に、そろそろ決着をつけようか
(c)Alena Getman
先日、国立新美術館で「ニキ・ド・サンファル展」を観てきたんです。ニキ・ド・サンファルは戦後を代表する女性美術家の1人で、少女時代を過ごしたアメリカや母国フランスの前衛芸術の影響を受けながら、1961年に発表した「射撃絵画」で広くその名を知られるようになります。「射撃絵画」というのは、絵の具を入れた袋や缶を埋め込んだ石膏レリーフに、銃をぶっ放すことで描かれる絵画です。
それと「40代女子」とどういう関係が……とお思いのみなさま、もうしばらくお付き合いを。ニキ・ド・サンファルは女性美術家であると同時に、なかなか過激な発言が飛び出すフェミニストでもあったので、現代を生きるおひとりさまの我々にも、さまざまな部分で示唆をあたえてくれる存在だと思うんです。
「ナナ」は少女か、オンナか、母親か?ニキは11歳のときに父親から性的虐待を受けており、さらに母親との関係もずっとうまくいっていなかったといいます。家庭環境により幼少時代にトラウマを背負わされたニキは、精神的に不安定な時期を過ごしながらも、のちに芸術家としての才能を開花させます。