それでもパートナーが欲しい人は、サリンジャーの小説を読んでみるといいかもしれない
なぜ彼が面と向かってスカスカなんていったのか、その背景にあるものが、小説を読めばおぼろげながら理解できることでしょう。
『ライ麦畑でつかまえて』は、パートナーへの要求水準を下げる!?私が主催する架空の婚活塾において、なぜ課題図書が『ライ麦畑でつかまえて』なのか、そろそろわかっていただけたでしょうか。架空の生徒さんたちにお伝えしたいのは、神経質で、融通が利かなくて、スマートさの欠片もないような不器用な男でも、悪いやつじゃないんだから別にいいじゃんってことです。
気がよく回って話が面白い男性もたしかに魅力的ではありますが、彼らとはまたちがった魅力が、31歳になったホールデン君たちにはあるように、私は思います。悪いやつじゃないし、ちょっと頭の中身を解剖させてもらってのぞいてみれば、彼らだってそこまで複雑なことを考えているわけじゃありません。
きっと、こちらが理解を示して話合えば、そこそこわかりあえる仲になれるんじゃないかと思います。だから、いわゆる「結婚向きな」「モテる」「明るい」男性じゃなくたって、十分にパートナーとして考えることはできるよ、って私は生徒さんに伝えたいのです。妙齢の女性が『ライ麦畑をつかまえて』をはじめとするサリンジャーの小説を読むことで、パートナー候補となる男性の間口を広げることができるのではないか、というのが私の仮説です。