同世代の繋がりだけではキツイ!崩壊する老後の生き方/ジャーナリスト・佐々木俊尚さん(後編)
前編で佐々木俊尚さんは、従来の会社や家族といった「共同体」が崩壊し、ライフスタイルが似た者同士でゆるく繋がる社会がやってくると指摘していた。
後編では、その従来の「共同体」はなぜ崩壊しつつつあるのか、その中でどう生きていくべきかを伺った。
従来の「強い共同体」が崩壊しつつある
――なぜ、このように共同体の形が今変わりつつあるのでしょう?
佐々木俊尚さん(以下、佐々木):終身雇用制度が機能しなくなってきているなど、今までのシステムが崩壊し始めているからです。
高度経済成長期、人がどんどん都会に出てくるようになると、農村という共同体から切り離されたため、人々は企業という新しい共同体を求めました。ところが今、企業にぶら下がって生きることが難しくなり、新しい共同体を求める人が増えているのです。
――共同体を求めるのは日本人独自の気質なんでしょうか。
佐々木:諸説あるのですが、歴史学者の與那覇潤さんの「中国化する日本」によると、室町から戦国時代にかけては非常に開かれた社会で、流動的な関係性だった。それが江戸時代になると地域に縛られるようになって、今の日本のムラ社会は江戸時代から400年くらい続いているんです。