自分の中のグレーな気持ちを、笑って流してしまっておく
したがって、このあたりはバランス感覚が要求されるでしょうが、「世俗の風」を無理して跳ね返すでもなく、しかし完全に飲まれて自らの向く方向を変えてしまうでもなく。
小説の中の千田サンが考えたように、「間違いだらけだったかもしれないけど、あれはあれでけっこう幸せだったんだよな」という気持ちを、石みたいに固めて保存しておく。正しいとも間違っているとも言わずに、そこは苦笑いでノーコメントにしてしまって、そっと胸のうちにしまっておく。
そんなことがもしできたら、自分自身が救われるのはもちろんだけど、他人に対しても少し寛容になれる気がします。
また不毛な恋愛してるよとか、また上司の愚痴言ってるよとか、自分にも他人にもいろいろ思うことはあるけれど、人間そんなにはっきり白黒つけられません。自分の中のグレーな部分をこっそりしまっておいて、普段は流しておいて、いざというときだけパカっと蓋をあけてあげる。なんかババくさいし卑怯な気もしますが、強くなるってそういうことなのかもしれません。
というわけで私も、家から一歩も出ずに朝から晩まで読書している自分を、あまり責めないであげようと思います。
ああでも、あったかくなって来たし、たまには友達とランチにでも行こうかな。