目覚めよ本能。「自意識過剰」を手放せば、心の重荷がちょっと減る
目覚めよ、本能
『寂しい生活』/稲垣 えみ子(著) /東洋経済新報社
稲垣さんは、東日本大震災の原発事故をきっかけに、徹底した節電生活を始めたという方。「断捨離」などというレベルではなく、冷蔵庫も洗濯機も手放し電気代は月数百円以下、さらにガス契約までやめてしまったというから驚きます。
そしてそんな生活を一人で続けているうちに、稲垣さんは「自分のこととかどうでもよくなっちゃった」らしいのですが……。
動物的本能を取り戻すと、
自分のことはどうでもよくなる
「自分のこととかどうでもよくなっちゃった」というのはもちろん、部屋が汚くなったとか、身なりが清潔でなくなったとかの、セルフネグレクトのことではありません。
「自分が」幸せになりたい、「自分が」成功したい、「自分が」人に認められたいなどの欲望が薄まり、他の人がどうしているか、きちんと幸せでいるか、そっちのほうばかり気にかかるようになったといいます。
稲垣さんによると、電気代を月数百円にまで抑えるというのはやはり小手先の技術では上手くいかなかったようで、常に電力を消費している冷蔵庫を捨てるとか、仕事が終わって家に帰ってきても部屋の照明を一切つけないとか、根本的なところから生活を変える必要があったみたいなんです。