誰よりも抱きしめ、一緒に眠った。無条件で傍にいてくれた犬にいま思うこと
いつも返事のしにくい文章で、私にどんな返答を求めているのか全く読めない。返さないまま終わってしまうこともあった。
「家を出ても、たまには帰ってきてよ」と言った母。でも私たちの間で気軽にできる会話は実はあまりなくて、じっくり話をした記憶はもう何年も前の話になる。一緒に食事をしたのも、買い物に行ったのも、もう何年も前の話だ。きっと家に帰っても、それほど会話ができず、お互いへのかみ合わなさを感じるんだろうとも思う。
犬が死んでしまった今、私は私が生まれてからずっと人生を一緒に過ごしているはずの人と、疎遠になってしまうのだろうか。
Text/あたそ
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「余り物同士で付き合えば?」恋人がいることが普通で、いないと疑問に思われる。
そんな風潮に対してあたそさんが抱く思いとは。