「片手」「両手」ってどういう意味? 元・不動産営業マンに聞きました
一方、家を買いたい、借りたいと思っている人も不動産業者を訪れて物件を紹介してもらいます。
ややこしくなるため、ここから先は売買に限定します(賃貸でも内容は変わりません)。
甲さんの依頼を受けたA社が売却活動をした物件をB社が乙さんに紹介し、甲さんと乙さんの間に1,000万円で売買契約が成立したとします。
この場合A社は甲さんから、B社は乙さんからそれぞれ36万円の仲介手数料(税抜)を貰います。
売主側と買主側の仲介会社が違うこのような取引を「片手」と呼びます。
■ 売主と買主の仲介会社が同一の「両手」取引って?
ふじよ / PIXTA(ピクスタ)
甲さんから売却依頼を受けたA社が、A社で物件探しをしている丙さんに紹介して甲さんと丙さんの間で売買契約が締結されたとします。
この場合A社は売主の甲さんと買主の丙さんの両社からそれぞれ36万円の仲介手数料(税抜)を貰うことができ、1件の取引で2倍の売り上げとなります。このような取引を不動産業界では「両手」と呼んでいます。
当然のことながら営業はまず両手を狙います。
物件を「物上げ」した場合まず自分の客に紹介できないか考え、次いで同じ店の他の営業に紹介可能な顧客を抱えていないか確認します。