「片手」「両手」ってどういう意味? 元・不動産営業マンに聞きました
物上げした物件をピンポイントで気に入ってくれる客を自分で見つけるのは至難の技で、そんなことをしても買い客を逃すだけです。
囲い込んだまま売れずに売却中止になる、あるいは一般媒介に切り替えられて他決するという最悪の事態を考えると、両手取引を狙って物件を囲い込むことにメリットはありません。
何より営業マンというものは今月の数字をどうするかということしか考えない人間です。
将来どうなるかわからない物件を抱え込むよりは、片手でいいから決めて今月の数字にしたい、と考える方が普通でしょう。
あくまでも両手取引を目指す、という会社も中にはあるかもしれません。
しかし私がこれまで在籍してきた会社はすべて「片手でいいから決めて、今月の数字を何とかしろ」という方針でした。
囲い込みが業界内で常態化しているかのような指摘は、実態から乖離しているといえます。
■ 薄っぺらい業界批判に惑わされず、不動産業界を正しく理解してほしい
ABC / PIXTA(ピクスタ)
これまでも書いていますが、不動産というものは金額が高く、売るのが大変だからこそ、買い付けを取るためにあらゆる可能性にかけるのです。